R.J. Oriez / wikimedia.org
                                    形骸化した抑止力
 ―― 多様化する攻撃の領域と能力
                    
                    
                    Eroding Balance of Terror
The Decline of Deterrence
2019年2月号掲載論文
冷戦後にアメリカが圧倒的な軍事的優位をもっていた時代は終わり、すでにわれわれは、ロシアと中国という二つのリビジョニスト国家と競い合う時代に足を踏み入れている。軍事競争は、宇宙空間、サイバー空間、海底を含む新しい領域に拡大し、新しい軍事能力の登場によって、軍事的なパワーバランスを正確に評定するのは難しくなっている。一方で、認知科学の進化によって、ハイリスクの環境において人間がどのように行動するかに関するこれまでの理解が覆され、抑止を支えてきた理論的支柱が揺るがされている。これらが重なり合うことで、厄介で不可避の結論に行き着く。現在の最大の戦略的課題は大国間抗争の時代への回帰でもなければ、先端兵器の拡散でもない。それは、抑止の形骸化に他ならない。
- 核抑止は過去の戦略
 - 多極構造で崩れた恐怖の均衡
 - 抑止を不安定化させる新要因
 - 人は意思決定をどのように下すか
 - 独裁者の意思決定
 - 崩れた均衡と認識ギャップ
 
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